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【視点】所信表明演説 「反省」なき現実路線(産経新聞)

 菅直人首相の所信表明演説は「いのちを守りたい」などと理想や夢ばかり振りまいた鳩山由紀夫前首相の所信、施政両演説に比べ、現実的・実務的で好対照となっている。ただ、「強い経済」の実現など菅カラーを強調する一方、政権を引き継ぐにあたって前内閣の失政や問題点の総括と具体的改善策は示しておらず「反省なき再出発」との印象はぬぐえないものだ。

 「この挫折を乗り越え、国民の皆さまの信頼を回復する」。首相は、鳩山前首相が辞任で「けじめをつけられた」と話を簡単に終わらせた。これでは真の「信頼回復」につながらない。

 外交に関し、「『現実主義』を基調とした外交を推進すべきだ」と述べるのは、現実から遊離した鳩山外交の轍(てつ)は踏まないとの姿勢を示したとみられる。だが、韓国哨戒艦を撃沈した北朝鮮に対し、現時点で「国交正常化を追求する」というのは気が早過ぎはしないか。また、普天間問題で日米合意を踏まえると主張するのはいいが、停滞した現状をどう打開するかの具体策はない。

 教育問題に言及しない点も気になる。やはり演説で教育にあまり触れなかった鳩山内閣は、道徳教育の縮小など日教組の政策要求に押し流されただけに、新内閣でも懸念される。

 首相は「むすび」で、リーダーシップ発揮のため国民に「私を信頼していただきたい」と呼びかけた。鳩山前首相がオバマ米大統領と国民に「トラスト・ミー(信頼してほしい)」と訴えたのと、不思議と重なっている。(阿比留瑠比)

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【こども】「手足口病」 近年で最多ペース(産経新聞)

 ■重症化タイプの流行で警戒

 乳幼児を中心に、手足や口の粘膜に水ぶくれができる感染症「手足口病」が早くも流行してきた。軽症にとどまるとみられがちだが、今年は中枢神経系の合併症を起こしやすい種類のウイルスが目立っているという。過去には国内でも死亡例がある。夏場の流行期を控え、専門家は「発熱や嘔吐(おうと)があれば、重症化しないか警戒を」とアドバイスする。(草下健夫)

 ◆楕円形の水ぶくれ

 手足口病は2~3ミリほどの水ぶくれができ、軽い発熱を伴うことがある夏かぜの一種。名前の通り、手のひらや指、足の裏、口の中のほか、ひじやひざ、尻などにも発症する。感染後3~5日の潜伏期間の後に水ぶくれができ、3~7日ほどで消える。強い自覚症状はないが、かゆみや痛みを伴う場合もある。4歳ごろまでの幼児が中心だが、小学生でも流行的な状況になり得る。まれに大人も発症するという。

 例年なら6月から感染が増えるが、国立感染症研究所の統計によると、今年は3月末以降増加。平成12年以降の同時期比で最多が続いており、5月17~23日の同時期の9・4倍に上った。

 高野医科クリニック(東京都葛飾区)の畑三恵子院長(皮膚科)は「手足では、指紋の方向に向かって細長い楕円(だえん)形の水ぶくれができるのが手足口病の特徴」と説明する。

 ◆発熱なら警戒を

 病原体は「エンテロウイルス」や「コクサッキーウイルス」で、せきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)、便の中、水ぶくれの中身などのウイルスから伝染する。ワクチンは開発されていない。

 同研究所によると、今年はエンテロウイルスの中でも特に警戒を要する「EV71」が目立つという。

 EV71は急性脳炎や髄膜炎、末梢(まっしょう)神経系に炎症が生じ手足などが麻痺(まひ)する「ギランバレー症候群」などの神経系や、心筋炎といった合併症を起こすことがある。過去には、国内でも死亡や重い神経症状を起こしたケースが報告されている。

 畑院長は「早期から発熱や嘔吐があったら、こうした重症化を警戒してほしい」と指摘する。大部分は軽症で、治療は軟膏(なんこう)を塗る程度。だが、「早く診断してほかの病気と区別し、重症化しないか経過を見る必要がある。水ぶくれができたら、速やかに皮膚科や小児科へ」と受診を勧める。

 手足口病と診断されたら、「定期的に熱を測ること。また、兄弟など周囲への感染を防ぐため、トイレ後やおむつ交換後などは手洗いを徹底してほしい」と畑院長。日常生活での衛生の基本も鍵となるようだ。

 口の中に水ぶくれができると食べ物や飲み物がしみやすい。その場合は熱い物や冷たい物、辛い物、固い物はなるべく控え、食欲低下や脱水症にも気をつけたい。

                   ◇

 ■状態見て登校判断

 手足口病は、水ぶくれなどの症状がなくなった後も、何週間にもわたってウイルスが便として排泄(はいせつ)されることがある。発症中の患者の登校・登園を停止しても、流行を抑える効果は薄いと考えられている。そのため、学校で予防すべき伝染病には指定されていない。高野医科クリニックの畑三恵子院長は「発熱がなく、体調が良ければ登校・登園してよい」とアドバイスする。

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